【コロナウイルス対策】休業で著しく給料が下がった場合の社会保険料の標準報酬月額の翌月改定(随時改定)の特例の創設
2020年06月29日
お知らせ
新型コロナウイルスの影響により休業した方で、休業により給料が著しく下がった方について、社会保険料の標準報酬月額を通常の随時改定(4ヵ月目に改定)によらず、下がった翌月から即時に改定することができる特例が創設されました。
休業手当の支給率が100%ではない企業や、休業手当の算定基礎となる賃金が基本給、各種手当の一部に限定されている企業が該当します。
即時に改定することで、社会保険料の会社負担、従業員負担が軽減されます。
◆1.対象者
次のすべてに該当する方が対象となります。
(1)新型コロナウイルス感染症の影響により休業があったことにより、令和2年4月から7月までの間に給料が著しく低下した月が生じたこと
(2)著しく報酬が低下した月に支払われた賃金総額(1ヵ月分)が、既に設定されている標準報酬月額に比べて2等級以上下がったこと
(注)基本給、時給などの固定的賃金の変動がない場合も対象となります。
(3)本特例措置による改定について本人が書面により同意していること
◆2.対象となる保険料および届出期限
令和2年5月から8月分保険料が対象となります。
(注)令和3年1月末日までに届出があったものが対象となり、前月以前に遡及して申請が可能です。ただし、既に給料から天引きした社会保険料の精算が必要となるため、できるだけ速やかに提出することが望ましいです。
◆3.注意点
(1)申請回数の制限
本特例措置は、同一の被保険者について複数回申請を行うことはできません。
例えば、5月支給分給料で特例改定を行い標準報酬月額を下げた後に、7月支給分給料で2度目の特例改定を行い、更に標準報酬月額を引き下げることはできません。
(2)7月、8月特例改定した方
休業回復した月(※実際の給料支払の日数が17日以上となった月)から継続して3ヵ月間の平均報酬が2等級以上上昇した場合には、固定的賃金の変動の有無に関わりなく、必ず随時改定(月額変更届)の届出が必要となります。
(注)6月以前の特例改定を行った方は、9月以降は定時決定により決定された標準報酬月額になるため、随時改定(月額変更届)の届出は不要です。
◆4.Q&A
(Q1)固定的賃金の変動がない場合でも特例改定の対象となりますか。
(A1)今回の特例改定に限り、固定的賃金の変動の有無に関わりなく、要件に該当する場合は改定の対象になります。
(Q2)届出内容や本人の同意などを確認できる書類の添付は必要ですか?
(A2)添付する必要はありませんが、後日、事業所への調査などの際に確認を求められることがあるので、届出日から2年間は書類を保管しなければなりません。また、本人の同意は、被保険者の不利益とならないよう、必ず届出を行う前にあらかじめ得ることが必要です。