【確定申告】上場株式の譲渡益、配当所得を所得税では申告し、住民税では申告しない方法

2019年02月27日

確定申告

 株式投資を特定口座の源泉徴収ありの口座で行っている場合、取引の都度、所得税(15.315%)・住民税(5%)が源泉徴収され、原則として確定申告は不要です。譲渡損失が生じた場合は、確定申告することで翌年以降3年間譲渡損失を繰越すことができます。

 また、譲渡益や配当について、総合課税または申告分離課税で確定申告することもできます。

特定口座の源泉徴収ありの口座で売買しており、売却益が生じています。給与所得や不動産所得がなく、医療費控除や社会保険料控除など各種所得控除を上場株式の譲渡所得等の分離課税の所得から控除することはできますか。
 特別徴収が行われ申告が不要な上場株式等の譲渡所得等について、各種所得控除の適用を受けたり、他の所得との損益通算や繰越控除を適用するために、分離課税の確定申告をすることもできます。

 また、特別徴収が行われ申告が不要な上場株式等の配当所得について、各種所得控除の適用を受けるため、総合課税または申告分離課税のいずれかを選択して申告することもできます。

 給与所得などから各種所得控除を引ききれない方や、所得税(超過累進課税)・住民税(10%)の税率が特別徴収の税率(所得税15.315%、住民税5%)を下回る方は申告する方が有利なケースがあります。

 ただし、配当所得については、総合課税を選択するか、申告分離課税を選択するかで注意が必要です。総合課税を選択すると「配当控除」の適用が可能ですが、申告分離課税を選択すると「配当控除」は適用できません。一方で、総合課税だと上場株式の譲渡損失との損益通算はできませんが、申告分離課税だと損益通算できます。

申告分離課税または総合課税で申告した場合、国民健康保険料などに影響はありますか。
 申告分離課税、総合課税での申告を行うと、課税対象となる総所得金額等や合計所得金額に繰り入れられます。その結果、扶養控除や配偶者控除の対象から外れてしまうことがあります。また、国民健康保険料、介護保険料が上がったりします。
確定申告では申告分離課税または総合課税で申告を行いますが、住民税では原則どおり申告不要を適用することはできないのでしょうか。
 個人の住民税について、所得税と異なる課税方法を選択することができます
 例えば、配当所得について、所得税では総合課税または申告分離課税を選択し、住民税では申告不要を選択することもできます。

 住民税で申告不要を選択しようとする場合、住民税の納税通知書が届く日までに、「上場株式等の所得に関する住民税申告不要等申出書」を市区町村に提出することで、所得税では申告し、住民税では申告しないという異なる課税方法を選択することができます。